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東京ディズニーリゾートを運営する、あのオリエンタルランド出身の講師があなたの会社の接客をコンサルティングします。

インタビュー対談

東京ディズニーランド出身の接客コンサルタントが「サービス」の真髄を語る「接客のこころとは」

接客向上委員会&Peace 代表 石 坂 秀 己

東京ディズニーランドのアトラクションの責任者として株式会社オリエンタルランドに約15年勤務。その後、アミューズメント業界への派遣を中心とした人材派遣会社に転職。グランドオープン研修や管理職研修に携わり、2005年「接客向上委員会&Peace」を設立。これまでに培ってきた接客研修のノウハウを活かしたビジネスモデルを構築する。著書に『ディズニーランドが教えてくれたみんなが笑顔で働ける習慣』(こう書房)がある

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信頼関係で成り立つエンパワーメント 権限と責任のあり方を確認すべし!

── ES 向上のために必要となる“認める”“認められる”という
企業風土とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

石坂
自分がこれまで培ってきた経験や知識を存分に活かすことができ、
会社への貢献に対しての正当な評価をされる状況
が理想的ですね。
その実現のためには、すべての事柄において上層部の判断を仰ぐのではなく、
ある程度の権限が委譲された上で知識・経験に基づいた行動をする
エンパワーメント が必要となります。
日本語では“権限委譲”という訳をされていますが、
この言葉の本当の意味は、ただ単に権限を委譲するだけでなく、
権限を与えた部下が最後まで遂行できるよう教育すること
なんですよ。

── なるほど。しかし現実には、権限を与えたのはいいけれど、
「お前に任せた!」とばかりにすべてを部下に放り投げる上司もいるようです。

石坂
たしかに。だからこそ管理職の方々は自分たちの役割
── “決断すること” “責任を取ること” ──を
理解していなければなりません。
部下に権限を委譲したのであれば、その責任は管理職の方々が取るべき。
真の意味でのエンパワーメントを理解し実践している企業で働く社員の方々は、
仕事のやりがいを感じることができて幸せですね。

そういう意味で特筆すべき企業といえば──私が経験者だからというわけではありませんが──ディズニーランドですね。
ディズニーランドでは現場の第一線で働くキャスト(スタッフ)一人ひとりに
ある程度の権限が与えられています。


たとえば、並んで買ったキャラクター風船を目の前で飛ばしてしまったゲスト(お客様)がいたとします。もしそんな状況を目の当たりにしたら、責任者の判断を仰ぐことなく、その場で風船を再発行していいことになっています。
お客様にしてみれば速やかな対応に好感を持つでしょうし、
そんなお客様の喜びをスタッフ自身の喜びとすることができる。
この行為については責任者に事後報告をし、判断の責任はそのスタッフの責任者にあるからこそ安心して新しい風船をあげることができるのです。

責任者から適切なフィードバックがあれば働くスタッフは安心しますよね。
このようなエンパワーメントが、お互いの信頼関係のもとで成り立っているのは言うまでもありません。

── ディズニーランドは(来客)リピート率が高いことで知られ、
施設の完成度の高さやバックグラウンドストーリーの秀逸さ、
マーケティング力やイベント企画力の高さなどはすでに周知の事実だと思います。
石坂先生が考えるディズニーランドの力とは何ですか?

石坂
創設者のウォルト・ディズニー氏の言葉
「 It Takes People − それらを実現するのは人である」という哲学が
全スタッフに浸透しており、 それぞれがそれぞれの仕事に誇りを持っている
という点です。

それ以外に挙げたいのは、お客様を飽きさせない努力を常に続けているところ。
たとえばゴールデンウィークやお盆、年末年始などのピーク時には
イベントを開催しない、イベントはある一定の期間のみ開催することで、
お客様は来園するたびに新しい発見、ワクワク感を得ることができます。
それが95%という驚異的なリピート率につながっているのでしょう。

一人ひとりを幸せにするのが接客研修の醍醐味(だいごみ)です!

── 接客は“心と心の触れ合い” だとおっしゃる石坂先生は、
いわゆる接客マニュアルについてはいかがお考えですか?

石坂
基本的な動作などを示したマニュアルはあった方がいいと思いますよ。
ただ、マニュアルを遵守しようとするあまり、人間味溢れる判断や対応がおろそかになるのは本末転倒ですから、“オペレーションの基本が書いてある参考書”程度に考えましょう。

お客様の心に響く接客ができるのは、その場のスタッフにしかできないことです。「お店を自分たちの手で進化させていくんだ!」という気持ちを持つスタッフが育てば、 マニュアルを超越した人間味あふれる接客ができる お店になります。

いかなる企業も独自にスタッフを教育しているはずなのですが、それを実績向上のチャンスとして認識できない場合がほとんど。
たしかに現場(お店)は収益を生み出す大切な場所ではありますが、
換えのきかない宝(人財)を育てる神聖な場でもあるのです。
そのような観点で人材育成に取り組めば、おのずと業績は伸びます。

── 接客業にとっては永遠のテーマともいえる「リピーターをいかに獲得するか」という課題。競争の厳しいこの時代、経営を成功させるためには避けて通れないこの命題を、石坂先生はどのように考えられますか?

石坂
私が思うにリピーター獲得の最大の鍵は間違いなく接客力=人です。
まさにこれまでお話ししてきたまとめになりますが、“ 人を思いやる心”を日常生活だけではなく、接客の現場でも実践できるようになる。 上司は部下のそれを引き出すように努め、それが自然にできる企業の風土、雰囲気をつくることです。
これを短時間で実現するために、私のような外部の人間が必要となるのです。
ひとつのことを社内で話し合うのと、第三者からの視点で問題点を洗い出し、解決に至るのとでは、効率も効果も段違いですよ。

── それでは最後に、読者の皆様に石坂先生からメッセージをお願いします!

石坂
接客業はもちろん、製造業でもクリエイターでも、
世の中は人と人とが関わらなければならない仕組みになっています。
企業の重要課題の中に必ず人財育成が入っているのはこのためですし、
対人折衝能力を伸ばすことこそが企業の成長に直結するのです。
そしてその能力を身につけることは、その人の人生を豊かにし、
関わるすべての方々を幸せにするのではないでしょうか。
そのような取り組みに、私の力を是非役立てていただきたいと思っています。

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(インタビュー及び編集:筒井健二、写真撮影:GLOMAR LINKS)

【インタビュアー紹介】
 FREELANCE WRITER / EDITOR
 筒井 健二 (kenji TSUTSUI)
 E-mail: K_tsutsui@221kg.com

人物・企業インタビューを得意とし、ビジネス、エンターテイメント、 商品紹介など、ジャンルを問わず各方面で活動中。 企業の視点から見た豊かな人生構築(キャリア構築)を支援してゆく。

接客研修、社員研修、トレーナー教育、その他資料のご請求など、
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